オランダで毎年5月または6月に労働者に支給される「休暇手当」。日本人の皆さんにとっては聞き慣れないこの休暇手当とは、一体どんなものでしょうか?当ブログでは、オランダの休暇手当についてご説明いたします。
そもそも休暇手当とは何の為?
オランダのほとんどの人が、「働くために生きる」のではなく、「生きるために働く」という考え方を持っているといってもいいでしょう。休暇手当の存在ほど、オランダ人のそうした考え方を例証するものはないといってもよいかもしれません。
休暇手当は、オランダの労働者の休暇取得を奨励するために、1920年代に導入されました。 5月に支給されるこの休暇手当は、労働者が夏の間に旅行を計画することを経済的に奨励するもので、働く人々のワークライフバランスをサポートする目的があります。今日、休暇手当の実際の使い道は労働者の判断に委ねられていますが、国として休暇取得を奨励するところに、オランダ人がいかにワークライフバランスを重要視しているかが垣間見えます。
休暇手当(vakantiegeld)とは?
オランダ労働法の下では、労働者は休暇手当を受け取る権利があります。 休暇手当の金額は、それぞれの労働者の年間給与総額の8%が目安です。つまり、年間総収入が50,000ユーロの場合、1年間フルに働いた場合、推定で4,000ユーロの休暇手当(税引前)が支給されます。
更新情報:2020年1月より、雇用主は臨時雇用された労働者に対して、若干高めの休暇手当を支払うことが義務付けられました。詳しくは、こちらをご覧ください。
休暇手当はいつ支給される?
通常、休暇手当は年に1度、5月に支給されます。現在では、雇用主と労働者の間で合意があれば、休暇手当を毎月の給与と併せて支給することも可能です。5月以前に雇用契約が終了した場合、それまでに累積された当該年度の休暇手当は労働者の最終給与とともに支払われます。
休暇手当は全員に支給するべき?
雇用主は雇用している労働者に休暇手当を支給することが義務付けられていますが、法定で定められている有給休暇(20日分)を適切に取得している労働者だけが休暇手当の受給権利があるとされています。また、特別な事情のもとでは、雇用主は休暇手当を支給しない場合があります。たとえば、以下のような場合です。
- フリーランサー(ZZP’ers/zelfstandige zonder personnel):長期的に雇用主への労働の提供をおこなわないフリーランサーに対しては休暇手当は適用されません。
- インターンシップ生:オランダでは、企業がインターンシップの費用を負担する義務はありません(一般的には、月額100~500ユーロ程度の報酬を提供することが多い)。それゆえ、インターンシップ生に対しては休暇手当を支給する義務はありません。
- 従業員が休暇手当を受け取った年の翌年から6ヶ月以内に休暇を使用しなかった場合、手当は失効します。
- 従業員の収入がオランダの最低賃金の3倍である場合、休暇手当は減額または適用されないことがあります。これは、雇用主と従業員との個別の契約により決定されます。
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