オランダに移住して働くことを考えていますか? 多文化社会、英語力の高さとその高い使用率、様々な価値観や宗教、また異なる人生観の受け入れに対しての寛容性など、外国人労働者が仕事を見つけるためにオランダに来る理由はたくさんあります。 また、好調な経済と国際的なビジネス環境は、事業拡大したい外国企業にも人気の理由です。ただし、これれらを実現するために、ひとつだけ障害があります。それは、EU圏外の労働者としてオランダで働くには、就労を許可する滞在許可証が必要です。 この記事では、非EU加盟国の、日本人を含む外国人労働者がオランダで就労できる主な滞在許可証の概要をご紹介します。
ビザと滞在許可の違いは何?
ビザ(visa)も滞在許可証(residence permit)も外国人が外国に入国・滞在するための法的文書ですが、その目的は異なります。しばしこの二つは混同されて使用されていますが、違いを理解し適切なものを申請することが重要です。
ビザ
ビザはパスポートに記載されている公的な書類で、渡航先の国への入国や滞在を許可するものです。オランダへの渡航に必要なビザは、出身国によって異なります。例えば、短期滞在用のシェンゲンビザを取得すると、オランダを含むシェンゲン協定加盟国に、休暇や出張など180日間のうち最大90日間滞在することができます。オランダに90日以上滞在する場合は、MVVと呼ばれる入国ビザが必要です。その場合、オランダ到着時にMVVで(一時的な)滞在許可証を受け取ることができます。 なお、日本人はオランダに90日以内の滞在であればビザは必要ではありません 。
オランダ滞在に利用可能なビザのリスト
- 空港トランジットビザ
- 短期滞在シェンゲンビザ
- オレンジカーペットビザ
- シェンゲンビザ
- 長期滞在ビザ (MVV)
- 入国ビザ
- カリブ海ビザ
*これらのビザではオランダでの雇用は(必ずしも)許可されません。
滞在許可証
滞在許可証は、一定期間または無期限にその国に居住することを許可する公的文書またはカードです。オランダに90日以上滞在する場合は、EU・EEA加盟国、スイスの出身者でない限り、滞在許可証が必要です。居住許可には必ずしも労働許可が含まれているわけではないことに注意が必要です。
滞在許可証と労働許可証
滞在許可証と労働許可証にはさまざまな種類があります。ここでは、(1)家族とパートナー、(2)就労、(3)学業のための就労許可証を伴う主な滞在許可証を取り上げます。詳細と要件については、オランダ移民局(IND) をご覧ください。
滞在許可の種類
家族とパートナー (Family and partner)
- パートナー (Partner)
就労 (Work)
- 企業内転勤者 (Intra-corporate transferee)
- 知的労働者 (Highly skilled migrant)
- EUブルーカード (European blue card)
- 研究者 (Researcher)
- 自営業 (Self-employed)
- 起業 (Start-up)
学業 (Study)
- オリエンテーション・イヤー (Orientation year)
パートナー
例えば、日本人が(オランダ人、非オランダ人、非EU)のパートナーのためにオランダに来る場合、オランダでの就労が許可されているかどうかは、滞在許可証 に記載されています。パートナーが以下のいずれかに該当する場合、滞在許可証で就労することができます。
- オランダ国籍 (Dutch national)
- 知的労働者 (Highly skilled migrant)
- EUブルーカード保持者 (European Blue Card holder)
- 自営業者 (Self-employed person)
- 居住と就労の単一許可証(GVVA)保持者で、雇用主がTWV保持者
企業内転勤者
企業内転勤者(intra-corporate transferee)の滞在許可証 は、EU、EEA、スイス以外からの管理職、専門家、研修生のための滞在・就労許可証です。この資格を取得するためには、EU 域外の企業で働き、オランダの支店に転勤するか、企業内転勤者滞在許可を持ちながらEU 域内の企業で働き、オランダの支店に転勤する必要があります。
知的労働者
知的労働者(highly skilled migrant)の滞在許可証 は、オランダの移民局(IND) が認めたスポンサーの下で働く従業員のための滞在・就労許可証です。認定されたスポンサーは、知的労働者に代わって滞在許可を申請しなければなりません。
EUブルーカード
EUブルーカード(EU Blue Card) は、EU、EEA、スイス以外からの高学歴従業員のためのEU労働・居住許可証です。これは知的労働者滞在許可(highly skilled migrant)とは次の点で異なります。EUブルーカードは 3年以上のプログラムの高等教育課程(学士号または修士号)の卒業証書を必要とするのに対し、知的労働者許可には高等教育課程の卒業証明書は必要ではありません。
研究者
研究者滞在許可証 (researcher)は、EU、EEA、スイス以外の国籍を持つ研究者のための滞在・就労許可証です。
自営業
自営業者滞在許可証 (self-employed)は、自営業者(フリーランサー)のための滞在・就労許可証です。オランダ商工会議所(KVK)の貿易登録簿に登録する必要があります。
起業
スタートアップ滞在許可証 (start-up)は、オランダで革新的な事業を始めようとする EU、EEA、スイス以外の国籍を持つスタートアップ企業のための滞在・就労許可証です。メンター、または契約書に署名した「ファシリテーター」と共に働く必要があり、両者ともオランダ商工会議所(KVK)の貿易登録簿に登録されていなければなりません。この許可は、イノベーティブな分野で起業が要求されるという点で、自営業の滞在許可とは異なります。
オリエンテーション・イヤー
オリエンテーション・イヤー滞在許可証 (orientation year)は、EU、EEA、スイス以外の国籍を持つ卒業生が、卒業後にオランダでの就職を希望する場合の滞在・就労許可証です。
アドバイス
オランダで登録されているすべての企業が EU 域外の従業員を雇用できるわけではありません。適切な許可証を申請するためには、雇用主がオランダ移民局(IND)に登録されたスポンサーでなければなりません。オクタゴンは認定されたスポンサーとして、非EU加盟国の従業員にビザおよび知的労働者許可証(highly skilled migrant permit)を提供し、外国人労働者をサポートすることができます。また企業がスポンサーとして登録手続きを完了するまで、日本人を含む非EU加盟国の従業員の雇用代行を一時的にすることができます。オクタゴンプロフェッショナルズでは知的労働者許可証(highly skilled migrant permit)のみを取り扱っています。こちらに関しての雇用代行やビザ・労働許可の申請についてお気軽にお問い合わせください。
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