オランダへの赴任準備をされていますか?オランダの健康保険制度は、その質と革新性において世界でも高く評価されている一方、世界のその他の国の制度とは異なっているのも事実です。実際に、日本からの多くの駐在員の方々は、オランダの医療制度をあらかじめよく知らないために、赴任してきてから混乱することが多いようです。
今回のブログでは、オランダの健康保険制度について分かりやすく説明していきます。
オランダの公的医療制度の概要
オランダの社会保険医療制度は、他のヨーロッパ諸国と同様に、長期のケアを必要とする病気や障害が対象となります。これは長期看護介護法(Wlz)として知られています。社会保障料として源泉徴収され労働者の給与の一部がこれに充てられています。
さらに、オランダに居住する人はすべて、民間会社が提供する健康保険プランに加入することが法律で義務付けられています。各健康保険会社は、様々なプランを提供していますが、最低でも基礎健康保険(basisverzekering)には誰もが加入する必要があります。その上で、個人の必要性に応じて、各種プランを追加することができます。
日本人を含む外国人は加入が必要?
日本人を含むEU圏外の国籍保有者は、18歳以上で以下のいずれかに該当する場合、オランダの健康保険に加入することが義務付けられています。
- オランダの雇用者に雇用され、最低賃金を得ている場合
- オランダに居住しており、滞在資格がある場合
- 30歳以上で、オランダに長期滞在する場合(EU/EEA国籍の場合)
また、オランダで自分自身が健康保険の加入対象であるかどうかを調べるために利用できる公式診断サイト(英語)があります。加入する必要がある場合は、市町村に住民登録してから4ヶ月以内に健康保険に加入の必要があります。
オランダの健康保険に加入しなくてよいのはいつからですか?
次のような場合は、オランダの健康保険に加入する必要はありません。
- 就学のみを目的として滞在する場合
- オランダ国外の雇用主のもとで雇用され、そちらで所得税を納めている場合(オランダ在住の非EU加盟国者の場合)
- 滞在許可証が発行されるのを待っている場合
オランダの健康保険に加入する必要がない場合でも、オランダ滞在中は自国での保険加入が必要です。このルールは、オランダの滞在許可証を受け取るまでの待機期間中にも適用されます。オランダの健康保険に加入する必要がない場合、自国で加入している保険会社に海外でも保険が適用されるかどうかを確認することをお勧めします。
オランダの健康保険の費用
加入した健康保険の種類と保障のレベルに応じて、健康保険会社から毎月保険料の請求があります。基礎健康保険の費用は、毎年オランダ政府によって設定されますが、2022年のオランダの基礎健康保険料の平均は月額約128.30ユーロとなっています。
オランダの基礎健康保険には、標準で385ユーロ(2022年時点)の年間自己負担額が義務付けられています。つまり、この年間自己負担額を超過した場合に健康保険会社から医療費の払い戻しを受けられるという仕組みです。
定められている自己負担額に加えて、任意で自己負担額を増やすことも可能です。任意での自己負担額の上限は年間885ユーロとされており、自己負担額を増やす場合、月々の保険料は安くなります。
雇用主を通じてのオランダの健康保険
雇用主によっては、社員のために団体健康保険を提供しているところもあります。団体健康保険プランに加入している雇用主は、通常、月々の保険料に割引を適用することができます。
健康保険の適用範囲
オランダの健康保険は、基本的に以下をカバーしています。
- ホームドクターでの受診
- 処方薬
- 外科医、小児科医、心臓専門医、腫瘍専門医などでの治療および治療
- 産科医療
- 心理的・精神的ケア
- 理学療法
- 歯科治療(18歳以下)
- 海外での緊急医療(オランダの関税を上限とする)
基礎健康保険では、ほとんどの基本的な医療を完全にまかなうことができますが、場合によっては、個人による負担(Eigen Bijdrage)が必要なものもあります。これらの個人負担費用を最小限に抑えるため、基礎健康保険には含まれていない自分に必要だと思う追加プランにも併せて加入することが可能です(歯医者やフィジオセラピーなど)。
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