人工知能(AI)の活用により、オランダでの企業採用活動の現場は日々変化しています。例えば、採用オートメーションソフトウェアの活用は、スキルと経験という基準に基づいて候補者をランク付けし、選別することで、採用プロセスの最適化・効率化を実現しています。
いうまでもなく、これらのテクノロジーは、企業の採用活動における一部の業務を効率的にしてくれるものです。一方で、求職者の目線からは、選考プロセスで感じる企業の印象やコミュニケーションの質が大変重要であることを忘れてはいけません。採用過程において、オートメーション化の導入は必要でありながらも、求職者の心をつかむための人間味あるパーソナルアプローチはこれからもこれまでも必要不可欠なのです。
今回のブログでは、最新のテクノロジーの導入やオートメーションに置き換えることのできない、企業の採用活動におけるパーソナルアプローチの重要性についてお話していきます。
AIでは判断できない、企業文化へのマッチ
ASA(American Staffing Association)が行った調査によると、求職者の77%が、選考過程において企業との人間味のある交流を好むという結果が出ています。また、そのように採用担当者が求職者自身のニーズやキャリア形成を真摯に捉え、サポートしてくれるという印象を与えることは、求職者の企業志望度をより高めることに繋がります。
また、履歴書に書かれている以上に候補者の深い部分を理解するために、エモーショナルインテリジェンス(EI/EQ)をもって候補者と向き合うことは双方にとって非常に重要です。特に、候補者の企業文化へのマッチは、AIが数学的な指標に基づいて評価できるものではなく、候補者の話しや考え方に耳を傾け、求めているものを理解する中でしか判断できません。候補者のワークスタイルや信念が、企業の労働環境やコアバリューと合致しているかどうかを判断することは、AIに置き換えることのできない採用プロセスにおける重要な作業なのです。
最新のテクノロジーにより、どれだけ人材の発掘が容易になったとしても、AIだけでは真のベストマッチを見つけることは難しいでしょう。
ポジティブな選考体験には、パーソナルアプローチが不可欠
ランスタッドUSのレポートによると、求職者の82%が、オートメーション化されすぎた企業の採用プロセスに不満を抱いていることが明らかになっています。そのため、雇用主や人事担当者は、候補者の選考体験をよりパーソナルなものにするためのアプローチを採用することが重要です。
採用プロセスの初期段階からの候補者への明確な情報提供、面接、最終的結果の連絡まで、企業が候補者と接するすべてのタッチポイントに人間的タッチを沿えましょう。求職者にとって、ただでさえストレスフルな就職活動において、選考プロセスにおけるスムーズで丁寧なコミュニケーションは候補者が内定を承諾する際の差別化要因となります。機械的でなく、人間的タッチが残る選考プロセスであればあるほど、候補者がその企業への内定を承諾する動機が高まるのです。また、最終的に内定には至らずとも優秀であった候補者が、その後もその企業をポジティブに捉え、将来再度応募したり、周りに企業を勧めたりする可能性が高くなるなど、求職者が選考プロセスをどのように経験するかは、今後の企業の評判と優秀な人材を惹きつける力にも直結します。
パーソナルアプローチは、企業ブランディングにも役立つ
人間味のあるポジティブな選考体験を候補者に提供する最大のメリットは、企業としてのブランド力を高めることができる点にあります。今日、企業として評判の高いブランド力を持つことは、これまで以上に重要です。LinkedInの調査によると、75%の求職者は求人に応募する前に企業のブランディングがどのようであるかを確認しています。実際に、今日より多くの企業がマーケティング活動において企業ブランディングへ投資し、採用プロセスにおいても一貫してそのメッセージを発信することに努めています。
また、求職者はしばしばその企業での選考体験をSNSで共有しようとします。したがって、採用担当者が、求職者が企業に対して与えるレビューが前向きなものであるようにアンテナを張り、また努めることが重要です。
パーソナルアプローチを大切にした日系企業様向けの人材紹介
候補者は貴社での選考プロセスの体験をもとに、そこから貴社で働くことのイメージを膨らませます。つまり、企業の採用担当者は、特別な選考体験を候補者に提供することが不可欠です。AIは様々な面で採用の効率化を実現してくれますが、個人的なフィードバックの提供や企業文化へのフィットの判断という点では常に劣るといえるでしょう。オランダで人材の採用を検討されている日本企業のご担当者様、ぜひオクタゴン・プロフェッショナルズの採用コンサルタントまでご相談ください。
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